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商品開発ストーリー
val.1鹿の子シャツ開発秘話
こんにちは、ozie店長 柳田です。
ozieでは、既存の概念にとらわれず、「こんなシャツがあったらいいな」と思うシャツをつくるよう心がけています。
かなり以前のことですが、一部の海外ファクトリーブランドが、鹿の子(かのこ)素材のドレスシャツを販売しました。
鹿の子(かのこ)とは、ポロシャツによくつかわれるやわらかい生地のこと。
着心地はよさそうでしたが、価格が高かったため、当時はあまり普及しませんでした。
数年後、新しいシャツづくりを思案していた私は、鹿の子素材のドレスシャツのことを思い出しました。
もし、安くて品質のいい鹿の子シャツがあったら、お客さまに喜んでいただけるはずなのに。
そう思った私は、取引先の縫製工場に企画を持ち込み、相談しました。
工場で「つくれない」と拒否される
ところが、工場から「うちではつくれない」と断られてしまったのです。
鹿の子はやわらかく伸縮しやすい生地のため、縫製が難しいからとのことでした。
しかし、あきらめる気持ちにはなれません。
「絶対、お客様に喜んでもらえますよ」
「将来、人気商品になりますから」
そう訴え続け、2年がかりで工場を説得しました。
もうひと工夫で、着心地のよさを追求
そこからは試行錯誤の連続でした。お願いした縫製工場には高い技術力がありました。
れでも、鹿の子の縫製には思った以上に時間がかかることがわかりました。
速く縫おうとすると、やわらかな生地が伸びるため、縫い目が曲がってしまうのです。
まっすぐ縫うためには、ゆっくりと時間をかけて縫う必要がありました。
縫製に時間がかかるということは、それだけ人件費がかさむということです。
それでは、シャツを安い価格で販売することはできません。
どうしたらいいんだろう……工場のみなさんと一緒に頭を悩ませました。
解決方法は、小さな工夫やコツの積み重ねでした。
高い縫製技術をお持ちの職人のみなさんがノウハウを伝え合い、熟練していくことで、短い時間での完璧な縫製が実現したのです。
縫製が難しい鹿の子との戦い
工場のみなさんのおかげで、着心地がよく、見た目にもカッコイイ鹿の子シャツができました。
いいシャツができた、これならきっとお客さまに喜んでもらえる。
そう思うのと同時にアイデアが浮かびました。
この鹿の子シャツにドライ加工をほどこしたら、もっとお客さまに喜んでもらえるのでは。
ドライ加工とは吸汗・速乾のための技術です。
鹿の子はもともと吸湿性のいい素材ですが、このドライ加工により、さらさらとした着心地がずっとつづくようになりました。
実際に購入したお客さまから「綿100%よりも着心地がいい」というレビューをいただいたこともあります。
こうして、「ドレス仕立ての鹿の子シャツ」は累計販売5,000枚をこえるヒット商品となりました。
「このシャツに出会えてよかった」というお声をいただくと、つくってよかったとつくづく思います。
これからも「こんなシャツがあったらいいな」をカタチにするため、新しい商品を開発しつづけていきます。
val.1鹿の子シャツ開発秘話