2022.10.25 / ウィングカラーシャツ徹底解説~友人の結婚式にウィングカラーシャツってありですか?
ウィングカラーシャツ、皆さんのイメージとしてはフォーマルシーンで着用するシャツと言うバクっとしたイメージをお持ちだと思います。
ウィングカラーシャツについてお客様から多いのが「友人の結婚式に参列する際にウィングカラーシャツの着用はOKでしょうか?」という質問です。
過去ウィングカラーシャツに絞ってお話ししたことがなかったので、ウィングカラーシャツについて細かくお話しするのと、よくある質問「友人の結婚式にウィングカラーシャツってありですか?」についてお答えしたいと思います。
目次
♦動画目次
00:00 ウィングカラーシャツ徹底解説
01:09 ウィングカラーシャツの基礎知識
04:02 ウィングカラーシャツの前身頃には3種類ある!?
07:56 ウィングカラーシャツの前立てについて
10:29 ウィングカラーシャツに合わせるタイ(ネクタイ)は?
12:06 友人の結婚式にウィングカラーシャツってありですか?
♦ウィングカラーシャツの基礎知識
●ウィングカラーシャツとは?
襟先をウィング=鳥の翼のように小さく折り曲げた衿型のシャツを言います。
ozieのウィングカラーシャツは首の後ろにループを付けて蝶ネクタイをしたときにずれにくいようにベルトを固定する仕様になっています。
なっているものとなっていないものがありますが、あったほうが何かと便利かなと個人的には思うので、選ぶときに確認してみてください。
●色は白で素材はブロード生地が基本
たまに水色や黒といったウィングカラーシャツが販売されていますが、色のついたウィングカラーシャツは正式なフォーマルシーンでは使えません。
新郎が着用するようなファンシータキシードや結婚式の二次会やパーティーで着用するためのややカジュアルなシャツと思ってください。
●カフスはダブルカフスが基本
シングルカフスのウィングカラーシャツは、正式な場で着用するウィングカラーシャツとは一線を画したものと考えたほうがいいでしょう。
ただジャケットを着ていて袖口がよくわかるかと言われればわかりにくいかもしれませんし、そもそもカフスの形を気にされている方が周りにどれくらいいるか?という話もあるかと思えば、シングルカフスはNGか?と言われればそうとも言い切れません。
個人的にウィングカラーシャツを着用するんだったらダブルカフスが絶対的におススメですが、ここは着用する方の判断にお任せいたします。
♦ウィングカラーシャツの前身頃には3種類ある!?
ウィングカラーシャツで一番違いが出るのが実は前身頃で、主に三種類あります。
▼イカ胸
ウィングカラーシャツは基本生地は織柄の入っていないブロード生地を使います。
ですが写真のように胸の部分に身頃と違う種類の固めの白生地をジャケットのVゾーンから見える位置にだけ貼り付けてあるウィングカラーシャツがあります。
これをイカ胸のウィングカラーシャツと言います。
なぜ胸の部分にだけ固めの生地を張り付けてあるかというと、勲章を付ける際にしっかりと止められるようにするためにつけられた目的があります。
勲章を付ける、ということから正式な場で着用される際のウィングカラーシャツという位置づけで、夜の正礼装=燕尾服に合わせるウィングカラーシャツとして着用することがメインです。
燕尾服以外に着用しても問題はありませんが、そもそも燕尾服を着用する機会が極端に少ない日本においては、入手が難しいウィングカラーシャツです。
あまりお店で販売していませんし、あっても高価なものが多いです。
▼ヒダ胸
前身頃に写真のようにプリーツが入っているウィングカラーシャツがあります。
これはヒダ胸シャツと言います。
これは昨今でもよく見かけるタイプだと思います。
プリーツが裾まで入っているものから、ジャケットのVゾーンが見える部分だけプリーツになっているものといったように2種類ありますが、いずれもヒダ胸です。
プリーツの幅が細く本数が多いものから幅が太めで本数が少ないものと、ヒダ胸と言っても見た目にいろいろあります。
プリーツの幅や本数は好みなのでどの種類を選んでいただいてもいいですが、プリーツの幅が細くて本数が多いほうが個人的にはドレッシーに見えるかなと思います。
ヒダ胸は夜の準礼装=タキシードに合わせるのがメインとなります。
タキシードのVゾーンに装飾感を加えたい、少し華やかにしたい場合はヒダ胸を選ぶといいでしょう。
▼プレーン
このシャツのように前に何も飾りがないタイプをプレーンと言います。
ozieでは現状このプレーンのみを販売しています。
なぜかというと一番使いまわしがきくのがこのプレーンのウィングカラーシャツだからです。
昼の正礼装=モーニングや昼の準礼装=ディレクターズスーツにも使えますし、タキシードにも当然使用可能です。
♦ウィングカラーシャツの前立てについて
上記のプレーンのウィングカラーシャツのように通常はフライフロント=比翼仕立てにして前立てのボタンは見えないように隠してあるのが基本です。
前身頃のところでお話ししませんでしたが、ウィングカラーシャツにはポケット付きのものはありません。
それはなぜかと言えば、フォーマルな場面では決められたもの以外は極力装飾をしない、という考え方があるからです。
なのでポケットも付けないし、ボタンも見えないように隠すのが基本です。
ですが、写真のようにまれに表にボタンが見えているウィングカラーシャツがあります。
これはこのまま着用するものではなく、スタッズというブラックオニキスを使用した飾りボタンを付けるために作られたウィングカラーシャツで、ボタンが裏で紐でつながっていて、すべて取ってスタッズを付けて着用することがメインで作られたウィングカラーシャツです。
スタッズは夜の正礼装=燕尾服や夜の準礼装=タキシードのみで使います。
それ以外のシチュエーションでは使わないので、このタイプは選ばないようにしてください。
なぜこのような仕様のシャツがあるかというと、シャツは下着の一種と考えたときに、下着のボタンを見せるのは上品ではないというところから飾りボタンを付けて華やかにしたというのが始まりだそうです。
日本ではこのような考え方はないですし、スタッズボタンを付けて参列する会が今や少ないと思いますので、スタッズがつけられる仕様のウィングカラーシャツを選ぶ必要性は少ないですが、参考まで。
♦ウィングカラーシャツに合わせるタイ(ネクタイ)は?
ウィングカラーに合わせるタイですが、基本は蝶ネクタイです。
燕尾服・タキシードにウィングカラーシャツを合わせる場合は絶対に蝶ネクタイです。
モーニングやディレクターズスーツといった昼間に着用する礼装にウィングカラーを合わせる場合はシルバー系の結び下げネクタイになります。
基本は以上ですが、最近は新郎が着用する着丈が長く、カラフルなタキシード=ファンシータキシードというものがあります。(下2番目の写真です。)
ファンシータキシードにウィングカラーシャツを合わせる場合、そもそもルールはありませんが蝶ネクタイかアスコットタイを合わせる方が多いようです。
♦人の結婚式にウィングカラーシャツってありですか?
スーツにウィングカラーシャツを合わせてはいけないという正式なルールはありませんので、どっちでもいい=着用してもいいということになります。
ただいままで長々と解説した通り、きちんと着用シーンやルールが限られているのがウィングカラーシャツです。
なので知人の披露宴に参加する際にウィングカラーシャツを着用するのは個人的にはあまりお勧めしません。
なぜかというとゲストで披露宴に参加する場合は新郎より目立ってはいけないというのがルールの基本としてあります。
スーツにウィングカラーを合わせるとなると、あわせるネクタイは蝶ネクタイ一択になりますが、スーツに蝶ネクタイのコーディネート自体がやや目立つかなと思う部分があるからです。
これはあくまで個人的な意見なので、参考程度に聞いていただければと思います。
ガーデンウェディングや二次会形式の場合はそもそもルールがありませんので着用していただいて構いません。
♦まとめ
【ウィングカラーシャツの基礎知識】
・色は白でブロード素材が基本
・カフス型はダブルカフス
・前身頃はイカ胸・ヒダ胸・プレーンの三種類があるが、一番使いまわしが気うのはプレーン
・前立てはボタンが隠れているフライフロント(比翼仕立て)が基本
・ネクタイは基本蝶ネクタイを合わせる。モーニングやディレクターズスーツにはシルバーのネクタイを合わせる
【知人の結婚式にスーツに参列するのにウィングカラーシャツはありか?】
・スーツにウィングカラーシャツを合わせてはいけないという正式なルールはありませんので、どっちでもいい=着用してもOKです。
ネクタイは蝶ネクタイを合わせてください。
♦関連ページ紹介
⇒ どのシーンでウィングカラーシャツを着用すればいいかわかる!シーン別フォーマルコーディネート集