2021.07.27 透けない厚手の白ワイシャツはありますか?
お客様からお問い合わせで多いのが「透けない厚手の白ワイシャツはありますか?」という内容。
だったらページ上にきちんと表示すればいいのでは?と思われる方が多いと思います。
なんですが、薄い・厚い・透けづらい・透けやすいという数値で表せるような明確な基準がないために、お伝えするのが非常に難しいお問い合わせです。
そのうえで今回はなかなか文章でお伝えしにくい「透けない白ワイシャツ」というテーマを、ozieで取り扱っている商品を中心に、ロジックを織り交ぜてお話ししております。
目次
♦動画目次
00:00 透けない厚手の白ワイシャツはありますか?
01:04 結論
05:43 透けづらい白シャツ①
09:32 透けづらい白シャツ②
12:03 透けづらい白シャツ③
13:43 透けづらい白シャツ④
15:34 まとめ
♦透けない厚手の白ワイシャツはありますか?
Q:ワイシャツ用の生地で白無地で全く透けない厚い生地はあるか?
A:基本的にはありません。
カジュアルシャツ、例えば厚手で太番手のオックスフォード生地を使用したシャツ(有名ブランドですとPOLOラルフローレンやBROOKS BRATHERSなどで取り扱われてます)や、秋冬向けのフランネル素材(起毛した素材)を使用したシャツなどであれば透けないかと思います。
しかし、これらはワイシャツ用の生地ではありません。
ワイシャツ用の生地でも、厚くはないですが透けづらい生地というのが数種類あります。
オジエが取り扱っている白シャツ生地を中心に、どんなものが透けづらいのかというのをこれからお伝えします。
~お話の前提として~
・他店舗がどのような生地を使用しているかは分かりかねますので、オジエが取り扱っている生地の中でお勧めします。
・同じような組織の生地でも糸番手と打ち込みで違って見えることがあります。
・生地の厚さや透け感などは、数値で表すことができず各個人の感覚値によるものが大きいので個人差がございます。
よって、明確にできない部分もございますので、今回はワイシャツに長く携わる私の感覚、経験値でのお話となります。
皆様がそれをもってして厚さや透け感について同じように思っていただけるかは判断致しかねますのでご了承ください。
【透けづらさを判断する基準】
①糸番手=糸の太さを表します
②打ち込み=縦横に使用している糸の本数を示すもの
③生地の組織
♦透けづらい白シャツ
①ピンポイントオックスフォード生地
オックスフォード生地には、カジュアルシャツで使われるような厚手のものからワイシャツ用として使用されるものまで種類があります。
透け感が少ない生地で色々選びたい時は、私どもでは最初に”ピンポイントオックスフォードの80番手双糸の定番生地”を使ったシャツをおススメしております。
ピンポイントオックスフォード生地は上品なドレスシャツ用(ワイシャツ用)のオックスフォード生地となります。
オジエではこちらの生地を別注しており、ワイシャツの中では上品な生地とされている80番手双糸を使用し定番的に取り扱っています。
ワイシャツとして使用するには、厚すぎず薄すぎず、透けづらい厚みがありながらソフトでハリがある80番手が非常に適していると思います。
また、凹凸感が少なくサラッとして見えます。
さらに、この別注生地には形態安定加工を施していますのでお手入れも楽です。
綿100%に加工を施しておりますので、ポリエステル混の形態安定素材と比較すると防シワ性や持続性は劣りますが、ネットに入れて洗濯する分にはそんなにシワはできません。
この生地を使用して多くの衿型でシャツを生産しておりバリエーションもあります。
お客様に好評を頂いており人気がある生地のシャツです。
※ピンポイントオックスフォード生地を使った商品一覧はページ下部でご紹介しております。
②ロイヤルオックスフォード生地
先ほどのピンポイントオックスフォード生地とは織り方が違います。
光沢感があり、表面に凹凸感もあります。
おススメはしておりますが、ピンポイントオックスフォード生地よりは少し薄く若干透け感が出るかもしれません。
他にもオックスフォード生地は種類がございますが、オジエが取り扱っているピンポイントオックスフォードとロイヤルオックスフォードの2種類をご紹介しました。
③ドビー生地
ヘリンボーン、カルゼ(フランス綾)、ツイル、ドビーストライプなど
表面に凹凸が入っている生地を総称して「ドビー生地」と言います。
種類がとても多く、生地に光沢感があって凹凸(織柄)があるのでしっかりしていて比較的透けづらいです。
ピンポイントオックスフォード、ロイヤルオックスフォード、ドビー生地共に、
糸が高番手になればなるほど、同じ組織でも生地が薄くなります。
120番手双糸以上の細い糸を使用していると、糸を沢山使用しても糸自体が細いので生地が薄くなるからです。
例えば、80番手双糸のヘリンボーン生地と120番手双糸のヘリンボーン生地では120番手双糸を使用した生地の方が薄くなります。
●ヘリンボーン
●カルゼ(フランス綾)
●ツイル
●ドビーストライプ
④クールマックス・スーパードライ生地
ポリエステル100%の素材となり、とてもソフトで柔らかく、しっかりしていて透け感が少ないです。
夏は通気性が良く、冬は寒いと糸が膨らんで保温性が良くなります。
そのためオールシーズン活躍します。
また、ポリエステル100%なのでシワがほとんどできません。
ネットに入れて洗濯していただければアイロンがけはほぼ不要です。
透け感が少なくて、洗濯後のお手入れが楽な方が良い方は、クールマックス・スーパードライ生地がおすすめです。
クールマックス・スーパードライ生地で、ロイヤルオックスフォード、ツイル、ヘリンボーン組織生地を使用したシャツもご用意しています。
写真はクールマックス・スーパードライのヘリンボーン素材
④ニット生地
ニット生地も透けづらいです。
ややカジュアル感は出ますが、スーツに合わせて着用もできます。
私が動画内で着用しているのもニット生地のシャツです。
若干透けやすいニット生地シャツも現在の商品にありますが、今は透けやすいニット生地では生産をしないようにしておりますので今後はなくなります。
ニット生地の中でも特に以下の3種類がおすすめです。
1.ヘリンボーン
透け感がなくて生地がしっかりしており、遠目から見るとシャツ生地にしか見えません。
ニット生地シャツを着てみたいけどあまりニット感が出ているのもな~と思われる方はこちらがおすすめです。
2.スムース
綿100%で生地がしっかりしており透け感が少ないです。
3.ハニカムメッシュ
本日お勧めしました組織や生地は私の経験も踏まえ透けづらい素材かと思います。
♦まとめ
・厳密に言うと、ビジネスで着用するワイシャツ専用の生地で透けない厚手の生地はない。
・しかし組織的に透けにくい白生地がある。
・生地の薄い厚いや透ける透けないは主観によるところが非常に大きい。
・ご紹介した白シャツの中でも、120番手双糸以上の細番手生地の場合はそもそも糸が細いので、生地が薄く感じることが多い。
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