2020.07.28 / 徹底比較!春夏ワイシャツ6種類 PART3「汗をかいたときの快適度と速乾性」「総合評価」
みなさんこんにちは。
ワイシャツの春夏用素材、徹底比較ということで、ある一定条件下で、ozieで取り扱っている春夏に最適な素材6種類をテストした結果を私の感想を踏まえて皆さんお伝えしようという企画です。
今回が3回目の最終回になります。
どんなシャツを比較してるかは1回目に詳しく説明しておりますので、宜しければ1回目もご覧ください。
今回最後にご紹介するのが、汗をかいたときの快適度と汗をかいたときの乾きの早さの体感度です。
そして最後に総合的な私の体感をまとめています。
3回目をご覧いただいた方はぜひ1回目、2回目を併せてご覧いただければと思います。
目次
♦快適度&速乾性テストの比較条件
天候:晴れ
気温:27℃
湿度:61%
風速:3m
状況:20分早歩きで外を歩いて汗ばんだときの状態
日常生活で汗をかくシチュエーションの再現の為に、20分早歩きで汗をかきました。
また、インナーは着用していません。
下着を着ると汗を吸ってしまい、シャツ生地自体が汗をかいても快適か比較検討できなくなってしまいます。
そのため、素肌でシャツを着用し、シャツ1枚で歩きました。
以上で比較した結果がこちらになります。
♦快適度テスト結果と解説
【◎だった素材】
からみ織り
アイスコットン
クールマックススーパードライ
ニットシャツ
からみ織りはメッシュ状になっていて、生地が肌に張り付かないので、汗をかいてもあまり気にならず、快適という結果になりました。
メッシュ状になっていることが一番大きくて、メッシュ状になっていて目が粗いので、生地と肌に隙間が生まれます。
肌に生地面が全部ペタッと張り付かず、肌離れが良いです。
そのため汗をかいても正直気にならなかったですし、メッシュ状で目が粗いので、生地が汗をすごい吸ってしまっているような感じでもなかったです。
そういう意味でも非常に快適でした。
アイスコットンは、着た直後もさることながら、着用している間も続くシャリ感が清涼感を感じさせます。
この生地は接触冷感素材・強撚糸(きょうねんし)と言って、糸を寄って肌に生地がベタッと張り付かないような織り方をされている素材です。
生地がシャリっとした感覚があるので、着たときにひんやりを感じさせます。
薬品をつけたり・加工をしたりしていない、着たときにひんやりと感じさせる天然素材です。
個人差はありますが、着用していてもひんやりと感じさせてくれる素材です。
普通は綿100%生地だと、汗をかくとベタッとしてしまいますが、ドライ加工等を施していないにも関わらず、汗をかいても肌にベタッと張り付かないです。
吸湿速乾素材ではありませんが、生地への染み込みも少なく、生地の組織で快適さと涼しさを感じることができたので、思いのほか◎をつけました。
クールマックススーパードライは、汗をかいたときに生地に染み込まず張り付かない点が大きかったです。
ただし多少のべたつき感は否めず、このあたりがポリエステルを感じました。
クールマックススーパードライは、ポリエステルに吸湿速乾加工を施した素材です。
※ポリエステルは加工を施すと吸湿速乾が期待できますが、何も加工がないと基本的に吸湿速乾性がなく、あまり水や汗を吸わない素材です。
ポリエステル100の弱点(=多少のべたつき感あり)が少し気になりましたが、それ以上に汗が生地に染み込まず、肌に張り付かないという点はポリエステル100%にしては意外でした。
想定よりも風通しが良く、風が吹くとかなり涼しく感じます。
生地、素材をご存じの方はポリエステル100%というと「夏場は着られないのでは?」という印象が強いと思います。
しかし、ポリエステル100%でも、クールマックススーパードライであれば夏に快適に着用できる、という結果になりました。
商品開発のテスト上では実証されていたので、ページ上でもご案内しておりましたが、自身でもこのテストを体感し、本当にそうなんだ、と実感をしました。
総合的に見て、クールマックススーパードライも◎かなと思いました。
ニットシャツは、ニット生地が汗を吸ってくれるので、べたつかないのが非常に快適です。
今回比較したニットシャツはヘリンボーン生地で少々厚めの生地です。
素肌で着ている分、シャツ生地だと汗がダラダラ流れてしまうことがあるかと思いますが、ニット生地はたくさんの糸を使用して作られているので、汗をたくさん吸ってくれます。
加えてクールマックス素材なので、動いた時に非常に快適です。
ニットシャツをご紹介する時には必ずお伝えしていますが、非常に快適です。
ニットシャツも◎をつけました。
【〇だった素材】
麻100%
クールマックス
麻100%は◎ではなかったです。
上記条件下では実はあまりたくさん汗をかかなかったんです。
汗をかく量がそれほど多くはなかったので、サラッとしていて問題なしでしたが、過去の私の経験上、汗を大量にかくと生地が肌に張り付く感じがあり、その可能性が高いので、それを踏まえて〇にしています。
※この条件下であればかなり◎に近い〇かなと思います。
クールマックスは、乾きが早いので想定よりも快適でした。
今回シャツ生地・形態安定・ギンガムチェックのブロードの生地を着て実験をしましたが、通常の綿生地のブロードだと、インナーを着用しないと基本的にベタッとしてしまうことが多いです。
クールマックスのブロードだと、綿のブロードシャツで汗をかいたときのようにべったり張り付くことがなかったです。
ブロードの生地で汗が早く乾く、ベタッと肌に張り付かない、というのは新鮮な感じでした。
汗が乾くのが早いので、その段階が心地よく、少しひんやり涼しさが残っている、といったような体感もできて快適でした。
個人的にあまりブロードの生地を着ないので、実験をすることでとても良い体験になったのですが、汗をかいたときの快適度という観点からみて、吸湿速乾性の高さというものが立証されました。
【快適度テストのまとめ】
麻100%は天然製品なので加工をしていません。
からみ織りもそうです。
春夏用素材は、快適度からいって×△がないというのがポイントです。
やはり全て夏用素材にふさわしく、汗をかいたときの快適度は全般的に高いという結果となり、春夏用素材に相応しい事が証明されました。
♦速乾性テスト結果と解説
速乾性テスト=汗をかいたときの乾きの早さです。
条件は快適度テストと一緒です。
◎=乾くまで10分以内
〇=乾くまで0分強
で結果を出しました。
【◎だった素材】
麻100%
クールマックススーパードライ
麻100%は吸湿速乾性能ナンバー1と言われています。
10分弱で汗乾きました。
そしてサラッとしてたので当然◎です。
クールマックススーパードライ、今回驚きの結果となったのがこの生地でした。
これまで、麻100%を全繊維中吸湿速乾性能ナンバー1ということで大プッシュしていたのですが、この実験での吸湿速乾性能ナンバー1はクールマックススーパードライでした。
さすが作られた生地だけあってすごく早かったです。
時間にすると、5分強で汗乾き、サラッと感が5分強で戻りました。
着用感の快適さ・涼しさに繋がるところになってきますが、ダントツ◎です。
【〇だった素材】
からみ織り
クールマックス
アイスコットン
ニットシャツ
からみ織りはメッシュ状になっていて肌に張り付かず、接地面が少ない分濡れている部分が少なくなるため、乾きが早いです。
しかし、素材の特性と相成って乾くまでには10分強化かかりました。
クールマックスは、乾きが10分強でした。
乾きづらい素材のクールマックス素材をあえて着てみたんですが、それでも10分強で乾いたということで〇でした。
アイスコットンは乾きは10分強でした。
からみ織りと一緒で汗で濡れている感じがなく、機能性素材ではないのに、感覚的に吸湿速乾性能は高いと感じました。ベタッと肌に張り付かない、というところが速乾性にも影響していることが伺えます。
ニットシャツは10分以内~10分強でした。
ニットシャツは汗を吸うため、水分や湿気を生地自体が吸い取りやすいです。
そのため、乾きが遅いイメージかもしれませんが、クールマックス素材の為、乾きが早いのです。
Tシャツのように多少汗を吸っても不快に感じず、プラス乾きが早いという結果になり、乾きが早かったということで評価しました。
【速乾性テストのまとめ】
天然繊維での速乾性№1は麻、合成繊維での速乾性№1はクールマックススーパードライ、となりました。
春夏用素材ということでご紹介しているので、軒並み◎か〇という結果となりました。
♦店長柳田の生地別総合評価
今回テストをした結果を踏まえた上で総評をします。
※着る人によって好みが違うので、何が一番良い、何が一番悪いということではなく、相対的に比較した結果をまとめます。
【麻100%】
昔からある天然繊維で、加工は一切していません。
基本的には一押しです。
ただ生地が薄く透け感があります。
白のみと書いてありますが、色柄であれば透け感は気にならないはずです。
色柄物を選んでいただくと、素肌の透け感は気にならなくなりますが、白を着た場合は生地が薄く、透ける感じがあります。
そして、シワになりやすいです。
麻100%のウィークポイントでなので致し方ない部分でもあります。
透け感(白)・シワ、この2点がウィークポイントになります。
最近は、ショールームへ来店頂くお客様の中でも、時代の流れで「会社もカジュアルokになりました。麻100%ですが、会社に着ていきます」と言って、麻シャツを購入いただく方が多いです。
そういう会社の方はもちろん、ウィークポイントもあるので、・在宅勤務のときに着る、・カジュアルシャツとして着る、・下にTシャツを着て着用する、等工夫をして着用して頂くのをお勧めいたします。
【からみ織り】
からみ織りはビジネス用途で考えた時に春夏用天然素材の中で一番おすすめです。
希少性の高い生地なので、他店でなかなか入手出来ないのもあります。
ozieではバリエーションを揃え、かなり力を入れて扱っています。
とにかく涼しくて快適、メッシュ状になっており風通しがいいので、快適です。
お手入れが楽なところもポイントです。
個人的におすすめの素材なので、私も何枚も持っていますが、アイロンがけはほとんどしたことがありません。
お手入れの面でも、おすすめできる素材です。
生地の材質的に、やや固めなので、ニットシャツのようなソフトな質感のシャツがお好きな方には向かない部分もあるでしょう。
【クールマックス(シャツ生地・形態安定)】
見た目は普通の生地ですが、防シワ性・吸湿速乾性が高い、価格踏まえてコスパが良い商品です。
オジエでもクールマックスの普通のシャツ生地の商品は5,000円+消費税で販売してます。
オジエの中ではお手に取って頂きやすい価格帯のシャツです。
防シワ性が高く、吸湿速乾性が高いというのは非常にコスパがいいかなと思います。
綿100%素材で形態安定加工のシャツだと、6,000円+消費税~7,000円+消費税の価格帯になります。
涼感素材のシャツではないので、通年用として考えると非常にコスパも高くなるかなと思います。
クールマックスは名前が涼しそうですが、素材特性として「涼しいシャツ」というより、「吸湿速乾性能が高いシャツ」という側面が強いので、暖房などで室内が暑くて汗をかくことがある秋冬でも着用頂けます。
価格は求めやすく、形態安定・防シワ性もあって、吸湿速乾性が高い、ということで、通年着用できることを考えると、選択肢が広がるかなと思います。
【アイスコットン】
今回見直したシャツの中で、アイスコットンは一番意外性がありました。
涼感を感じさせるシャツとして春夏用シャツの中では非常にコスパも良いと思います。
天然繊維で加工は何もしていないので、肌が弱い方、ポリエステルはちょっと、、、という方でも着用頂けます。
からみ織りももちろんそうです。
形態安定加工はかかっていないので、シワに関しては何とも言えないところがあります。
※今回テストした結果ではシワは目立ちにくかったです。
天然素材の中ではアイスコットンは非常に見直す部分多かったです。
からみ織りに次ぐ優秀な素材、コスパのいい商品です。
【クールマックススーパードライ】
ポリエステル100%のいいところ、ソフト感・サラッと感を活かしつつ、通気性や吸湿速乾性に優れた隠れおすすめ商品です。
年間着用できるのもいいところです。
個人的にポリエステル100%のシャツは積極的には着てこなかったのですが、予想を超える快適な着用感含とテスト結果に驚きました。
こちらはクールマックスと一緒で夏用素材ではありません。
年間着用できるのがいいところです。
防シワ性は一番高く、お手入れも一番楽です。
ただし合成繊維がNGな方にはおすすめできません。
生地の質感としてポリエステル100%は薄めの生地で柔らかいです。
シャツ生地の多少厚みのあるハリ感がお好みの方には、ポリエステル100%は頼りなく感じるかもしれません。
ここはお好みが分かれるところかと思います。
【ニットシャツ】
生地のしっかりしたニットシャツを着て実験をしましたが、ニット生地のいいところ=汗をよく吸う・シワが出来づらい、を存分に感じられるシャツです。
生地にストレッチ性があるので、タイトな作りになっている分、フィットした細身のシャツが好きな方におすすめです。
Tシャツを着用しているのと同じ感覚で着られるシャツの為、昨今増えている、自転車通勤などにも最適です。
♦まとめ
今回、春夏ワイシャツを6種類同じ条件でテストしてみました。
総合的に見ると各生地毎に良し悪しがありました。
上記のテスト結果、私の体感を、今後のご購入に際してご検討頂ければと思います。
どうもありがとうございました。
♦関連ページ
▼麻リネンの商品ページ一覧
https://www.ozie.co.jp/c/mens-shirts/mens-material/linen
▼からみ織りの商品ページ一覧
https://www.ozie.co.jp/c/mens-shirts/mens-material/linen
▼アイスコットンの商品ページ一覧
https://www.ozie.co.jp/c/mens-shirts/mens-material/ice-cotton
▼クールマックスの商品ページ一覧
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