2020.07.06 / 徹底比較!春夏ワイシャツ6種類 PART1「洗濯後の速乾性とシワ」
寒い冬を過ぎると、途端に暑くなる。
洋服選びもがらりと変わりますよね。
毎年涼しいシャツ、ということでお問合せいただくことが多くありますが、春夏用ワイシャツ生地を横並びにして比較したことがなかったので、全3回にわたりご紹介いたします。
♦動画目次
00:33 春夏シャツ素材6種の説明
00:35 麻の素材説明
00:44 からみ織りの素材説明
00:52 クールマックスの素材説明
01:16 アイスコットンの素材説明
01:35 クールマックス・スーパードライの素材説明
02:40 ニット生地の素材説明
04:45 速乾性テストの比較条件
06:06 速乾性テスト結果と解説
08:32 シャツの脱水お薦め時間
11:05 シワの入り具合テストの比較条件
12:20 シワの入り具合テスト結果
16:29 次回予告
春夏シャツ素材6種の説明
今回の動画では、夏用素材として6種類のシャツをご紹介しています。
①麻 リネン
オジエで使用しているリネンシャツは当然ながら麻100%です。
夏の代表素材ですね。
②からみ織
メッシュ状になっています。
通気性が良い風を感じられるような素材です。
③クールマックス
名前が夏っぽいので限定感がでてしまいますが、この生地自体は夏用素材というわけではないんですね。
吸湿速乾性の高いシャツということで、汗を吸ってすぐに乾くというのが春夏に最適という考えの元エントリーさせました。
④アイスコットン
今回お話する中ではいちばんマイナーかもしれません。
比較していく中で良さをお話できるかと思います。
ざっくりとお話すると、接触冷感素材という着るとひんやりする素材です。
⑤クールマックススーパードライ
ポリエステル100%の素材感。さきほどご紹介したクールマックスは、綿とポリエステル混合です。
ポリエステル100%と聞くと中には「え、それは夏用素材?」と疑問に思われる方がいらっしゃるかもしれません。
正直に申し上げると、夏用素材ではありません。
ただスーパードライという名だけあって本当に吸湿速乾性が高いんですね。
数字で見る限り本当に素晴らしい生地だというのがわかっているので、徹底比較として味わってみようというわけです。
⑥ニットシャツ
これはオジエでは御馴染みですね。
いくつかの種類がありますが、春夏用ということを加味してクールマックスを使用した素材をピックアップしています。
生地によって薄い、厚いなどありますが、年間着られそうな生地がしっかりめのヘリンボーン柄をあえて選びました。
長年にわたり作り続けている人気の高いシャツで、シャツ生地にしか見えないような素材です。
この6種類のシャツですが、今回は私柳田が実際に着てみたり洗濯をしてみたり、どういう差があるのかデータをとってみましたのでご紹介します。
感性が入りますが、みなさんの参考になれば幸いです。
速乾性テストの比較条件
1回目となる今回は
・洗濯後のしわの入り具合
・洗濯後の動きの速さ
この2種類に焦点を当てて比較していきます。
洗濯後の乾きの速やしわの入り具合という視点でいくと、春夏には梅雨がありますね。
猛暑の続く夏は当然乾きが早い訳ですが、こういう梅雨の季節の乾きはどうなんだろうというのはひとつ気になる点かなと思います。
ご来店いただく皆様共通しておっしゃるうのは、「できればアイロンをしたくない」 ということです。
このことを踏まえて、洗濯後どういう状況で乾くのか、乾いた後どういう状況になっているのかをご紹介いたします。
まず洗濯後の乾きの速さについて。
動画の画面内で結果を出しています。
このテストを実施したのは6月末、まさに梅雨の時期です。
20時に洗濯し部屋干し。
翌6時に確認。
この条件でどの程度乾いているのか、というのを横並びで検証しています。
天候:雨
気温:18℃
室温:21℃
湿度:99%
見るからに乾きづらそうですよね。
このような状況下での結果です。
速乾性テスト結果と解説
結果は一目瞭然でした。
「◎だった素材」
麻
クールマックス
アイスコットン
クールマックススーパードライ
条件が悪い中でもきちんと乾いていました。
もうこのまま、すぐに着られる状況ということです。
吸湿速乾性能ナンバーワンと名高い麻、クールマックスとクールマックススーパードライは吸湿速乾素材なのである意味当然の結果です。
今回びっくりしたのはアイスコットンです。
強撚糸といって糸を撚って(ねじって)いる生地で、着用時ひんやりする生地です。
そういうことが理由なのかわからないんですが、なんと完璧に乾いていました。
吸湿速乾素材ではありませんが、早く乾いた方が良いという方はアイスコットン意外におすすめです。
「△だった素材」
からみ織
ちょっと湿っていました。
からみ織は綿100%で何も加工がありません。
メッシュ状になっていて目が結構粗い生地です。
水を吸わない生地ではあるので乾くかなと予想していたんですが、加工なしの綿商品なので乾きが遅かったですね。
少しの湿りだったので、1~2時間後には乾いているかなという印象です。
「×だった素材」
ニットシャツ
みなさんに「汗がすぐ乾くんですよ」「すぐ乾くから部屋干しでもいいんですよ」とお伝えしてるんですけども、これだけは全然乾いていませんでした。
理由としては2つあります。
・脱水時間が短い
今回脱水にかける時間を1分に設定しました。
ニット生地はTシャツやポロシャツの生地と同様なので、脱水を長めにかけるほうが水がきれます。
・糸の使用量が多い
糸を使用している量が圧倒的に多いため、水を含みやすいです。
からみ織は目が粗い、というお話をしましたが、糸をあまり使用していない生地のものも多いです。
この2つの理由によって差がでました。
条件的にニットシャツが不利な状況でありました。
脱水を短くすればこうなる、ということは新しい発見でした。
シャツの脱水お薦め時間
シャツ生地の場合は脱水は短い方が良いです。
この後にも話がでますが、乾かしている間に水の重みでシワが伸びるっていうのもあります。
びしゃびしゃな状態では良くないですが、シャツ生地はもともと水分がきれやすいので、生地を傷ませたいためにもそんなに長くする必要はないよねという話です。
15秒から30秒が最適と言われていますが、最近の洗濯機はこの設定がなく、短くても1分なものがほとんどです。
そのため今回は1分での設定でした。
今回の結果を踏まえると、ニットシャツはもうひとつ上の6~9分という長いコースでやったほうが水がきれて乾きが早くなります。
普段している全自動、普通のコースでお手入れしているときは朝乾いていない、ということはないんですよね。
ニットシャツについては、糸をたくさん使用している、水を吸いやすいから仕方がない、ということを少しご理解いただければと思います。
シワの入り具合テストの比較条件
ここからは洗濯後のシワの入り具合です。
気になるところですよね。
洗濯 :15分
すすぎ: 2回
脱水 : 1分
※洗濯ネットにシャツを2枚ずつ入れる
※6枚のシャツすべてを同時に洗濯
※シャツだけではなく、他の衣類も含めて洗濯
※洗濯完了後すぐに室内にハンギング
シワの入り具合テスト結果
「×だった素材」
麻
素材の特性です。
当然ながらシワができていたので×です。
ただ正しく洗濯した後のため、そんなにしわくちゃにはなっていないなというのが感想です。
つまりは洗濯の仕方でシワの入り方はかなり変わるということです。
ネットに入れて脱水を短く。
少し水分を含ませて水分でしわを伸ばすということであれば、在宅勤務中の着用程度であれば全然アイロンは必要ないのではないでしょうか。
昔から麻を着ている方で「あのしわくちゃ加減では・・・」という思いを持っている方は、上記の条件でお手入れをお試しください。
おすすめです。
※動画内では着用してどのくらいシワが入っているのか、同じアングルにて撮影しているのでご覧ください。
「〇だった素材」
クールマックス
アイスコットン
使用したシャツの色が濃いのでわかりづらい部分があるかもしれませんが、形態安定加工がかかっていてシワができませんでした。
でこぼこしていないブロード生地で、どちらかといえばシワが目立ちやすい素材です。
形態安定なのであえて挑戦的に選んでみましたがシワができませんでした。
からみ織と比べるとどうかなというとこと、持続性がわからなかったので〇になっています。
アイスコットンはこれまた意外でした。
綿100%でからみ織ほどメッシュではないのでどうかなと思っていたんですが。
10回、20回と使用していくとどうなるかわからないんですが、意外にシワはできませんでした。
組織によると思いますが、でこぼことしたアイスコットンらしい生地を試しました。
かなりメッシュ状のでこぼこした感じのドビー記事を選んでいただければシワがあまりできないことがわかりました。
良い意味で思い違いがわかったテストでした。
「◎だった素材」
からみ織
クールマックススーパードライ
ニットシャツ
からみ織は綿100%ですが、個人的にはアイロンがけなしで大丈夫ですよ、とよくお伝えしています。
写真を見ると本当に大丈夫だなと思います。
クールマックススーパードライについては、ポリエステル100%なのである意味当たり前なんですね。
素材的にシワになりづらいんです。
シャツ生地っぽく作っているので、シワができないのは間違いないです。
柔らかい生地なのでシワが寄っている武運もありますが、洗濯シワではないです。
防シワ性、もう洗濯後は何もしたくないよという型はぜひこの素材がおすすめです。
最後はニットシャツです。
しっかりした生地ですがシワができません。
少し湿った状態での結果測定でしたが、それでもシワはできておらずに美てました。
Tシャツやポロシャツにアイロンをかけないように、このニットシャツもかけなくて十分です。
次回予告
今回は洗濯の乾き具合とシワの入り具合についてお話しました。
これだけでも皆さんにお伝えしたい情報はこんなにあって長めな配信となってしまいました。
次回は3種類のテスト結果についてお話していくので、続けてご覧くださいね。
♦関連ページ
▼麻リネンの商品ページ一覧
https://www.ozie.co.jp/c/mens-shirts/mens-material/linen
▼からみ織りの商品ページ一覧
https://www.ozie.co.jp/c/mens-shirts/mens-material/linen
▼アイスコットンの商品ページ一覧
https://www.ozie.co.jp/c/mens-shirts/mens-material/ice-cotton
▼クールマックスの商品ページ一覧
https://www.ozie.co.jp/c/mens-shirts/mens-material/coolmax
▼ニットシャツの商品ページ一覧
https://www.ozie.co.jp/c/mens-shirts/mens-material/knit-shirts
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▼徹底比較!春夏ワイシャツ6種類 PART3「汗をかいたときの快適度と速乾性」「総合評価」