2024.05.17 ビジネスカジュアルのジャケットスタイルでやってはいけないこと!
3週間前の2024年4月26日に「ビジネスカジュアルってどんな服装ですか?何を着ればいいですか?」という動画をアップしましたが、5月からビジネスカジュアルを導入する企業が多いせいなのか、出だしとしてはよく視聴していただき色々コメントもいただきました。
ご興味あればページ下部にリンクを貼っておきますのでご覧くださいませ。
その後ここショールームにビジネスカジュアルの動画をご覧いただいたお客様がいらした際に、ビジネスカジュアルについての質問がありました。
それは「春夏のビジネスカジュアルの際、ジャケットスタイルがいいのはよくわかったんですが、ジャケット単品って持っていないんですよ。明るめの色のスーツは持ってるんですけど、このスーツのジャケットのみ着用して下は違うパンツをコーディネートするのはアリですか?」という内容でした。
その時私はなんと答えたか?
「スーツの生地や形によっては無しとは完全に言い切れない部分もありますが、基本はおすすめしません!」と理由を含めてお答えしました。
では何で春夏のビジネスカジュアルのジャケットスタイルで、スーツのジャケットを単品で着用するのはおすすめしないのか?
実は先程ご紹介した4月末にUPしました動画でも少しだけお話しているんですが、その他の理由もありますので、春夏のビジネスカジュアルでスーツのジャケットのみ着用して違うパンツを合わせることを何故おすすめしないのか?についてお話いたします。
今回はあくまで季節は春夏限定の理由です。秋冬の場合は若干異なることもありますので、季節は春夏限定ということを念頭に置いてご覧ください。
目次
♦動画目次
00:00 ビジネスカジュアルのジャケットスタイルでやってはいけないこと!
03:06 スーツのジャケットのみ着用し、違うパンツを合わせることをおすすめしない理由①
07:58 スーツのジャケットのみ着用し、違うパンツを合わせることをおすすめしない理由②
12:48 セットアップのカジュアルスーツのジャケットを単品で着用するのはどうか?
♦スーツのジャケットのみ着用し、違うパンツを合わせることをおすすめしない理由①
スーツのジャケットのみ着用し、違うパンツを合わせることをおすすめしない理由は大きく2つあります。
①スーツのジャケットはスーツ用の生地を使っている=ぱっと見た目にスーツのジャケットを着てるとわかってしまうこと。
今回実例としてネイビーのスーツやジャケットで色々比較してご覧いただきます。
スーツであれ単品ジャケットであれ、よくお持ちの確率が高いネイビーを実例にするほうがわかっていただきやすいと言うのが理由です。
当然ビジネスカジュアルには、チェック柄のジャケットは相性抜群なのは前提で今回はお話していますので、ご了承ください。
それでは早速ですがまず3枚の写真をご覧ください。
ジャケットが違うだけで、あとは同じコーディネートの写真です。
一番左がスリーピーススーツの2つボタンネイビージャケット、真ん中はウール100%のジャケット生地を使用した単品のネイビージャケット、一番右がジャージーウールのジャケット生地を使用した6つボタン2つかけのダブルブレストのジャケット。
これを見て皆様どう思われますでしょうか?
一番左がスーツのジャケットで、真ん中と右はジャケット単品の写真です。
ジャケットの生地拡大写真もあわせてご覧いただくとよりわかりやすいと思います。
一番左の写真はスーツのジャケット生地ですが、ぱっと見た目でわかります。光沢感があります。
真ん中の写真のジャケットに使用している生地は、いかにもスーツの生地とは違い、光沢若干抑えられていて表面感があるのがわかると思います。
一番右のジャージーウールのジャケットも光沢感が抑えられていて素材感があるのがおわかりいただけるかと思います。
春夏のビジネスカジュアルで着用するジャケットに使用する生地は、真ん中と右のように光沢が抑えられていて素材感のあるものや表面感のあるものがおすすめです。
ということでこの写真3枚で言うと、素材的には真ん中と右がおすすめです。
今回はすべてウールの生地でしたが、素材的にはウールのみならず、麻やコットン使いの生地を使用したジャケットを着用するのもおすすめです。
この手の素材は光沢が抑えられてウールにはない素材感のものが多いですし、見た目にも着用している本人も涼しく感じます。
♦スーツのジャケットのみ着用し、違うパンツを合わせることをおすすめしない理由②
スーツのジャケットのみ着用し、違うパンツを合わせることをおすすめしない理由
②は形の要素です。
3枚の写真をご覧ください。
一番左と真ん中は先程と同じ写真ですが、一番右だけ違う写真を持ってきました。
比較してみてみると一番左と真ん中の写真は肩パッド入っていて肩のラインが非常にしっかりしたジャケットです。
一番左は生地がスーツ生地で、形も昔ながらのクラシックなスーツのジャケットというのがわかるタイプなので、カジュアル感がないのがよく分かると思います。
問題は真ん中の写真で生地はジャケット用の素材で表面感があっていいのですが、形は肩パッドがしっかり入ったテーラードジャケットタイプです。
このジャケットは今お持ちならばNGではありませんが、もし今から購入を検討するのであれば、いくらジャケット生地を使用しているからといってこの手の肩パッドの入ったテーラードジャケットを選ぶのはできる限り避けたほうがいいという意味で、あえてご覧いただきました。
素材は問題ないですし、腰回りについているポケットもパッチポケットでややカジュアルな仕様でいいのですが、肩のラインがしっかりしすぎていると、カチッと見えすぎてしまい少しもったいないです。
ちなみにこのジャケットは20年以上前のジャケット。
形的に古いのは当然ですね。
メンズのビジネスウェアはトレンドがないようで、長い時間をかけて少しずつ変化しています。
なので購入してからかなり時間が経過しているジャケットは肩パッドが入った肩のラインがしっかりしたものが多く、現在のビジネスカジュアルには少し合わないかもしれないと思ったほうがいいでしょう。
このような観点から春夏のスーツだとコットンやリネン使いのスーツもあると思いますが、まず生地がスーツ用で表面感があまりないこと=ツルッとした感じの生地が多くおすすめできないのと、スーツ用のジャケットだとカジュアルな生地を使用していても肩のラインがしっかりしているものが多く、スーツ用のジャケットを着用していると言うのが意外にわかるためおすすめできません。
一番右のジャケットはウールコットンという春夏用のジャケット素材に肩パッド無し、裏地なしの一枚仕立てのジャケットになります。
腰回りについているポケットはパッチポケットで、よりカジュアル感があります。
形的にはシングルであれば一番右の形が理想的です。
個人的には先程もお見せしましたが、パットが薄い肩のラインがやや丸い感じのものであれば、ダブルのジャットもビジネスカジュアルには非常におすすめです。
ということで素材・形についてネイビー無地という基準で比較してご説明いたしました。
♦セットアップのカジュアルスーツのジャケットを単品で着用するのはどうか?
「肩パッドが薄くて一枚仕立てのセットアップのカジュアルスーツを持っているんだけど、これもジャケット単品で着るのはなしですか?」というお問い合わせもいただきますのでお話いたします。
個人的にはこれもなしだと思っています。
理由は、形的にカジュアル要素が強くても、素材がスーツ向けの素材を使用しているものが大半なため、素材的な部分でスーツのジャケットを着用している感がわかってしまうからです。
セットアップのカジュアルスーツをお持ちなら、私はそれはスーツとして着用することをおすすめします。
個人的にスーツにノーネクタイでシャツの組み合わせは、テーラードタイプのカチッとしたスーツではおすすめしませんが、セットアップのカジュアルスーツならノータイでワイシャツはありです。
この2枚の写真はスーツ用のシアサッカーを使ったセットアップのカジュアルスーツですが、ワイシャツをノーネクタイで着用しています。
セットアップのカジュアルスーツは、ジャケットのインナーだけシャツを変えればいいという見方もできるので、個人的にはビジネスカジュアルを表現するのに非常に楽なアイテムだと思っています。
最近はウオッシャブル素材を使用して洗えるものも多いので、暑い夏場にお手入れ面でも楽に着用できるのがいいところです。
春夏のビジネスカジュアルはジャケットスタイルであれば素材・形を考えてジャケット単品のものを着用するのが一番理想ですが、セットアップのカジュアルスーツにシャツをノータイで着用するのは個人的にはおすすめです。
最終的にはカジュアルスーツにまで話が及びましたが、ビジネスカジュアルのジャケットスタイルでやってはいけないこと!についてお話いたしました。
♦まとめ
▼ビジネスカジュアルのジャケットスタイルでやってはいけないこと!
スーツのジャケットを、ビジネスカジュアル時にジャケット単品として着用すること!
《理由》
素材・形ともにスーツのジャケットを単品で着用しているのがわかってしまい、ビジネスカジュアル感がないため。
①素材は光沢が抑えられていて素材感のあるものや表面感のある、ジャケット用生地を使用したジャケットを着用すること。
②形は肩パッドが入っていない、もしくは薄い肩のラインがソフトなジャケットを着用すること。
肩のラインがしっかりしすぎていると、カチッと見えすぎてしまって少しもったいないです。
③セットアップのカジュアルスーツをお持ちなら、無理にジャケットスタイルにしなくてもカジュアルスーツ+シャツをノータイで着用するコーディネートが楽なのでおすすめ。
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