2022.01.28
クリーニングはシャツが縮みやすい?|シャツの専門店 ozie

 
みなさんこんにちは。
今日はお客様からよくある質問、クリーニングに出すとシャツは縮んでしまうのか、についてお話しようかなと思います。
 
ワイシャツというと、お洗濯やその後のアイロンがけ等、ご自宅でのお手入れが1番ネックなのかなと思いますが、それが煩わしいのでクリーニングに出される方も結構多くいらっしゃるかと思います。
その中で「クリーニングに出すと首周りがどんどんきつくなってくることがあります。どうしてですか?」というお問い合わせがよくあるんです。
その疑問についてお話しようかなと思っています。
 

♦衿の芯地×クリーニング

【芯地の種類、それぞれの特徴】

クリーニングに出すと縮む、首周りがきつくなってくる、縮んできてるような気がするというのは、そのシャツに使っている芯地によって変わります。
実は以前もお話をしましたが、芯にはフラシ芯と接着芯、主にこの2種類があって、接着芯を使っているシャツがクリーニングに出すと縮みやすくなります。

クリーニングは、水洗いをして半乾きで高温プレスというのが通常の仕上げ過程です。
その高温プレスをかけるとき、熱に弱い芯地はダメージを受けやすくなります。
熱に弱いので芯が熱で縮みやすくなるんです。
ozie|オジエ アイロン、クリーニング・イメージ写真
フラシ芯という芯は襟の中で芯が浮いており、生地とは接着していません。
フラシ芯の場合は、芯が衿の中で浮いているので縮んでもそんなに影響はありません。
 
対して接着芯はシャツの生地に芯が接着しています。
その為、芯が縮むとそれに生地が引っ張られて縮みやすくなったりする、生地が引っ張られて縮んだ感じにってしまうことがあります。
 
 

【芯地×クリーニングの相性】

このような理由で、衿に接着芯を使用したシャツをクリーニングに出すと、縮みが出てくる場合があります。
ただし、場合がある、というのは、クリーニングのやり方や状況(コース等)、また、クリーニング屋さんの技術や機械などで、色々と変わってくる部分があるかと思います。
芯地とクリーニング屋さんの相性みたいな部分です。
 
接着芯を使っていると芯が縮むので芯に生地が接着してしまい、その芯が縮むので生地も引っ張られて縮んでいく、シワになって生地が引っ張られる、という事があるということです。
それでも、プレスした後であれば芯を伸ばしてクリーニング屋さんで伸ばして最終的に仕上げをすればほとんどが元に戻ります。
しかし、お忙しいクリーニング屋さんだとなかなかそこまで手が回らないということで、表はピシっとシワがなくなっていますが、衿の裏の処理が甘く、シワになって上がってくるっていうことがあるようです。そうすると、全体的に(特に首回り)が縮んだような状況になってしまいます。
 
 

【ケアされずクリーニングから戻ってくると?】

こちらにクリーニング屋さんから以前戻ってきたシャツがあり、良い例なので、画像をご覧ください。
こういう形で衿の裏でシワが出来てしまっている事が結構あります。
 ozie|オジエ クリーニング後のしわ・イメージ写真
先ほどお話したように、これをプレスした後に伸ばせばまだ元に戻りやすのですが、そのまま仕上げをしてしまうと、こういう形で跡がついてしまいなかなか取れず、結果的に首回りの縮みに繋がるという事もあるようです。
こちらはの事例はクリーニングに出されるときに皆様も気を付けて頂き、戻ってきたときにしっかりチェックをして頂ければと思います。

♦現在衿に使用されている芯地の基本

【現在主流は接着芯】

お話したように、衿に接着芯を使っているシャツであれば、ある程度、何回かクリーニングに出すうちに、縮みが避けられない部分があるのは事実です。
私どもの取り組みをお話しすると、私どもは基本的にほぼ全商品にこの接着芯を使っています。
衿に接着芯を使用することの最大のメリットはお手入れが楽、という事です。
生地と芯が接着しているのでアイロンがけがしやすく、しわも伸びやすいです。
 
対してフラシ芯のメリットは柔らかくて風合いは良いところです。
ただし芯が浮いているのでアイロンがけが非常に難しいです。
プロでも衿先にシワが残ってしまう場合があるんです。
衿先に生地が集まってしまい、シワが残ってしまう場合もあります。
(ご経験がある方も多いかと思います。)
それが一度ついてしまうと、なかなかとれないです。
 
今世の中の流れとしては、風合い重視、というのはあるかと思いますし、私も確かにそう思いますが、それよりも、ご家庭でお手入れしづらいのは、より大変だと思います。
そう言った意味でも、今、世界的には接着芯が使われるようになってきています。
 
最近はイタリア製ブランドの2万程の価格帯のシャツでも接着芯がよく使われています。
昔で言うと、衿にフラシ芯を使っていなければ良いシャツとは言えない、という傾向がありましたが、最近は衿に接着芯を使用していても、接着芯の中でも非常に良い風合いの芯を使用している場合が多く、お手入れが楽でありながら着心地(衿の着用感)も硬すぎない芯地を使用しているシャツが多いです。
ozie|オジエ 8044it-u01a-e2-600 イタリア製生地シャツイメージ
 
 

【ozieでの取り組み】

しかし、通常で考えるとクリーニングに出したら縮みやすい、という弱点は否めない部分はあるかと思います。
そこで私も取り組みとして、様々検証を繰り返し、試験結果的としてはクリーニングでの状況下でも芯が縮まない、という芯地に着目しました。
オジエのシャツは数年前よりその芯地を全商品のシャツに使っています。
このような事から、基本的には、お手入れをしてしまって縮む、という事はないかと思います。
※ただし、クリーニング店さんの状況によって多少変わってきてしまう部分がある、という点は注意が必要です。
 
試験環境としては一般的なクリーニング屋さんで行われている工程、状況の中で試験を繰り返しているので、その状況下であれば問題はありません。
しかし、もし違った環境になった場合は絶対的に縮みが起こらない、と言えない部分があるかもしれません。
今のところ、その芯地に変えて数年経過しましたが、芯地を変えて以降、シャツが縮んでしまった、衿部分がシワシワになってしまった、というようなお言葉を頂戴していないので、基本的には大丈夫じゃないかなと思います。
ozie|オジエ 8009-u02d-e2-600 衿イメージ
ozie|オジエ 8065t-a11a-e1-600 衿イメージ
ozie|オジエ 8051-u02d-e2-600 衿イメージ

♦まとめ~芯地をチェック・クリーニング屋さん選びも重要~

「クリーニングに出すと首周りがきつく感じのなぜですか」というご質問に対しての答えは、「通常の接着芯を使用してるシャツをクリーニングに出すと、熱で接着芯が縮み、結果的に首周りがきつくなり、ごわついてしまう」という状況が考えられます。
芯地も大きく影響しますが、各クリーニング屋さんの工程の違いや技術によるものも大きく関係してくると思います。
今お話ししてきたような内容をしっかりとケアされているクリーニング屋さんを選んで頂くことをお勧めいたします。
クリーニング屋さん選びの参考にして頂ければと思います。
 
 
私どもozieも数年前までは通常の芯地を使用しており、シャツが縮んでしまった、衿部分がシワっぽくなってしまった、といったお声を頂戴したこともあったのですが、今のところほぼ全商品が入れ替わってきているかな、という段階で、私どもは、接着芯の中でも、お手入れしやすいように、クリーニングに出しても基本縮まない接着芯を使用している、ということをお伝えして、今日はおしまいにしたいと思います。
 
どうもありがとうございました。
 
 

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