2022.01.07 スリーピーススーツの着こなし方~基礎知識編
スリーピーススーツはozieチャンネルで過去、スーツで結婚式に参列する際に最適なアイテムということで何度もご紹介しております。
もともとスーツと言えばスリーピーススーツのことを指していたくらい、スリーピーススーツはクラシックかつフォーマルなスーツなんです。
これだけクラシックなスーツですので、スリーピーススーツには着用時のルール=基礎知識がいくつかあります。
ルールについて、若干私の主観を交えてお話します。
目次
♦動画目次
00:00 スリーピーススーツの着こなし方~基礎知識編
00:14 ozie│オジエはシャツ屋なのになぜスーツの話をそんなにするのか?
01:59 スリーピーススーツとは?
04:04 スリーピーススーツの基礎知識①
07:15 スリーピーススーツの基礎知識②
08:12 スリーピーススーツの基礎知識③
10:40 スリーピーススーツの基礎知識④
15:08 スリーピーススーツの基礎知識⑤
16:25 スリーピーススーツの基礎知識⑥
17:38 まとめ
18:41 次回予告
♦シャツ屋なのになぜスーツの話をそんなにするのか?
ozieはワイシャツやネクタイを販売していてスーツは販売していないけどなんでスーツの話をよくするし、そもそも知っているの?と疑問に思う方が多いかもしれません。
理由の一つはワイシャツ・ネクタイとスーツは密接な関係にあるからと言うのが一つ。
でもそれだけではスーツの話は詳しくできないよね、となると思います。
どうしてスーツのことを知っているかというと、前職バーニーズニューヨークに勤めていた際に一番長く在籍したのがスーツフロアー、さらに一番長く担当したのがタキシード含めたフォーマルウェアだったからです。
なのでセレモニーシーンのお話を細かくできるわけで、そこにスーツが密接に絡んでくるからです。
これがもう一つの理由です。
♦スリーピーススーツとは?
まず基本的なことですが、ジャケット・ベスト・パンツに全て同じ生地を使用したスーツを「スリーピーススーツ」と呼びます。
ジャケット・パンツと異なる生地を使ったベストのことを「オッドベスト」といいますが、オッドベストを加えたスーツスタイルはスリーピースとは基本は言いません。
例でいうとこんなコーディネイートです。
ではこのスタイルは間違いか?
と言われれば現在ではありだと思っています。
実際私は写真の通りそういうコーデをしています。
各個人がいいと思えば現在はいいと私は思います。
スリーピーススーツは過去の動画ではスーツで結婚式に参列する際に最適なアイテムということで何度もご紹介しております。
もともとスーツと言えばスリーピーススーツのことを指していたくらい、スリーピーススーツはクラシックかつフォーマルなスーツなんです。
これだけクラシックなスーツですので、スリーピーススーツには着用時のルール=基礎知識がいくつかあります。
ルールについて、若干私の主観を交えてお話します。
♦スリーピーススーツの基礎知識①
~ジャケットのボタンは基本留めない~
もちろん留めるのがNGではありませんが、留める場合は立っているときだけにしてください。
きっちりボタンを留めていらっしゃる方が多いですが、私は留めないほうがおすすめです。
~留めないほうがおすすめの理由~
1つ目は、
ベストがあるのでジャケットの前ボタンを留めていなくてもワイシャツの露出が少ないこと。
欧米ではワイシャツはそもそも下着という位置づけですので、ツーピーススーツのジャケットのボタンをあけるのはワイシャツが露出しすぎるので、基本ボタンを留めるのが通例です。
しかしスリーピースの場合はそうではないからです。
余談ですが、スリーピース、ツーピース関わらずですがシングルスーツの場合、座っているときは前ボタンは外してください。
これについては違う回で詳しくお話しします。
2つ目は、
ベストが間に入っていてジャケットのボタンを留めるとウエスト周りに厚みが出るので窮屈ですし、動きずらくなってしまうことが多いからです。
また厚みでジャケットのラインが崩れたり、しわになって見た目がよくないことがあるからです。
あと個人的になんですがボタンを留めることでベストで狭くなったVゾーンがより狭く見えて圧迫感があると感じることがあります。
例として同じコーデでボタンを留めている写真と留めていない写真があるので、比較してご覧ください。
▼留めている写真
▼留めていない写真
いかがでしょうか?
私はボタンを留めていないほうがシルエット的には美しいと思います。
3つ目は、
上にコートを着用する際はボタンを留めてください。
ボタンを留めないとコートの中でジャケットが動いてコートのラインが崩れてしまうことがありますので。
コートを脱いだ時に合わせてジャケットのボタンを外すようにしてください。
♦スリーピーススーツの基礎知識②
~ベストの一番下のボタンは留めない~
ベストには5個か6個のボタンがついていますが、一番下のボタンは留めないのがルールです。
”アンボタンマナー”というのがありまして、ジャケットやベストの一番下のボタンは外すルールになっています。
これに関しても違う回でお話ししようと思いますが、逆に言えばベストのボタンは一番下以外はすべて留めることと覚えてください。
♦スリーピーススーツの基礎知識③
~スリーピースに着用するシャツの衿型について~
ワイドカラーやホリゾンタルカラーがおすすめといわれています。
理由はベストから衿先が飛び出しにくいためです。
この画像をご覧いただくとわかりますが、ベストから衿先が飛び出しています。
▼衿先がベストの上にのっているNGな例
衿先が飛び出しているとだらしのない、格好が悪い印象を与えるので、衿先がベストの中に隠れる衿型を選びましょう。
その観点で見たときにワイドカラーやホリゾンタルカラーが一番おすすめというわけです。
では他の衿型ではだめなのか?と言われればそうではありません。
そもそも衿先がベストからはみ出したり、乗っかったりしなければいいので、個人的にはレギュラーカラー・タブカラー・スナップダウン・ピンホールカラーもおすすめです。
それだったらボタンダウンもいいのでは?と思う方も多いと思います。
基本的にはボタンダウンはカジュアルな衿型なのと、スリーピースをよく着用される方でボタンダウンを合わせている方がほとんどいない・見かけることがないので、見た目の違和感はかなりあります。
なのでスリーピーススーツとボタンダウンの相性は正直よくないと言わざるを得ませんが、これをわかったうえであえて着用するならば私はいいと思います。
ファッションは時代に応じて変わるものですし、なによりファッションは自己表現の一つでもあるので、ご自身でいいと思われるならばいいと思います。
♦スリーピーススーツの基礎知識④
~ベストの着丈の理想の長さとベストの大きさについて~
・ベストの前からバックルが見えない。
・ベストとパンツの間からワイシャツが見えない。
これは、非常に重要です。
要するにベストとパンツの間を見えなくする、ベルト部分が隠れる長さが理想というわけです。
しかしながら、既製品でスリーピースを購入すると難しい部分があります。
ベストとパンツの間からワイシャツが見えるとなると、これはよっぽどベストが短いか、もしくはワイシャツの着丈が短めで、動くとすぐ出てきてしまうということだと思います。
これは改善していただきたいですが、ベストとパンツの間に隙間がなく、ウエスト周りのベルトが隠れているとしても、ベルトのバックルは見えてしまったりすることがあります。
スーツのサイズは丁度いいにもかかわらず!
これは昨今のスーツのパンツが浅くてウエスト部分が下がっているために起こりやすくなっています。
パンツの股上が深めだとこの事象は起こりずらくなります。
基本はバックルが隠れるのが理想なので、スリーピーススーツを試着する際にこの点は十分気を付けてチェックしてください。
さらに、ベストとパンツの隙間がないのにベルトのバックルを見えなくするもう一つの方法は、ベルトを使わずサスペンダーを使うことです。
バックルは見えなくなりますし、サスペンダーを使うとパンツラインがきれいに見えるので、こちらもチャレンジしていただく価値はあると思います。
バックルが隠れないからといってベストのサイズを上げるためにスーツのサイズを上げるのは論外です。
全体的に大きくなって、結果見栄えが悪くなります。
自分の体にあったスリーピースを見つけてください。
スリーピーススーツの既製品自体が少ない、というのもあると思います。
そもそも自分の体形にあったスリーピースを見つけることが難しくなります。
この場合はパターンオーダーする、というのも手かと思います。
昨今はパターンオーダーの価格がだいぶ下がり、オーダーしやすくなっています。
一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
ただパターンオーダーでベストに関しては注意が必要です。
過去私がオーダーした店で、ベストは寸法をいじれないというお店がありました。
スリーピースをオーダーする際はベストの寸法も合わせてくれるかどうかご確認の上、オーダーしてください。
▼ベストの前からバックルか見えているNGな例
▼ベストとパンツの間からワイシャツが見得ているNGな例
♦スリーピーススーツの基礎知識⑤
~ネクタイの剣先をベストから出さない~
ベストからベルトのバックルが見えないようにする、が基本なのでネクタイの剣先も出るはずはないのですが、ネクタイの剣先もベストから見えてはいけません。
ネクタイのを結んだあとの適度な長さは大剣の剣先がベルトのバックルにかかるかどうか位の長さ。
この場合はベストから大剣の先が覗かないよう、長さを調整して結んでください。
長さを調整するのが面倒臭い、ということでしたら、ベストのVゾーンの狭さにもよりますが、ネクタイピンを活用して長さを調整する手もあります。
♦スリーピーススーツの基礎知識⑥
~ベストを着ているからといってジャケットは基本脱がない~
日本の場合、社内ではジャケットを脱いでシャツ一枚姿になる方が多いですが、基本ジャケットは脱いではいけません。
冒頭でも申し上げた通り、ワイシャツは下着と同じなので、ワイシャツ一枚姿ということは下着一枚でいるのと同じということ。
でもスリーピースはベストついてるんだからいいのでは?と思う方も多いかもしれません。
実際ベストきているのでジャケット脱いでもいいとお伝えしている方が多いのも事実ですが、基本はベストを着ていてもジャケットを脱ぐことはNGです。
なので、スリーピースでもジャケットは脱がないでください。
というのが私の考えですが、このことを念頭に置いていただいたうえで社内でしたらジャケットを脱いでベスト姿でも構わないと思います。
わかってやっているのとわからないでやっているのは全く違うと思っていますので。
♦まとめ
スリーピーススーツの基礎知識~6点
①ジャケットのボタンは基本留めない
②ベストの一番下のボタンは留めない
③スリーピースに着用するシャツは、衿先がはねない衿型を選ぶ。
ボタンダウンもできればさける
④ベストの着丈はベルトぶぶんが隠れる長さが理想
サスペンダーを使うのもおすすめ
⑤ネクタイを剣先をベストから出さない
⑥ベストを着ているからといってジャケットは基本脱がない
基礎知識=ルールとして私からお話しすることは以上6つになります。
改めて整理してみると、スリーピーススーツはお約束事がたくさんあります。
でも最後でも言いましたが、全部守って着用するのは大変ですし、無理かもしれません。
頭に入れたうえで、わかったうえでルールから外すのは私は有りかと思っています。
堅苦しいと思うかもしれませんが、実際の着用姿は非常にスタイリッシュだと私は思っています。
先ほども申し上げましたが、既製品ではあまり販売していませんが、最近のパターンオーダーはコスト的に見て既製品に少し付け足すくらいでスーツを作れてしまいます。
楽しんでスリーピーススーツに挑戦していただけると私としてはうれしいです。
スリーピーススーツはカチッとして見えるだけに、逆に着用するシチュエーションを多少考えなければいけないスーツでもあります。
次回はスリーピーススーツの着こなし方~着用シーンやおすすめスリーピースについて詳しくお話ししたいと思います。
次回もぜひご覧ください。
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