2020.02.18 / ワイシャツに使われる ”芯地” についてご存じですか?
意外と知られていないシャツの重要な役割を担っている
『芯地』
についてご紹介します。
♦芯地って何?
ワイシャツの衿と、表前立て、カフス部分に入っています。
何も入っていないと柔らかくシワもできやすいため、しっかりさせたい部分には芯を使用して補強します。
どこのお店でもメンズのワイシャツには使用されていると思います。
かっちりとする必要のないカジュアル仕様なシャツ、柔らかさを出したいシャツには使用されていないこともあります。
また、オジエのレディースシャツにはメンズと同じ芯を使用しているため、衿立ちの良いメンズライクな仕様になっています。
芯には様々な硬さや種類があります。
作り手がお客様にどんな着心地を体感していただきたいか?その思いとお客様のとり扱いの手間などを考慮し使われるものが異なります。
♦芯の種類
●フラシ芯
生地の間に入れる芯を糊付けしないで中で浮いている芯。
・メリット:柔らかく、形も保つことができる
・デメリット:アイロンがけが大変
中で浮いているのでアイロンのかけ方を誤ると生地が衿の隅に寄ってシワが残ってしまいます。
●仮接着芯
工場で作る段階では糊で接着しているが、一回洗うと糊が剥がれてフラシ芯と同じようになる芯。
・メリット:縫製しやすく水洗い後はフラシ芯と同じで柔らかい。
・デメリット:家でのアイロンがけの大変さはフラシ芯と一緒。
洗濯後、稀にきれいに糊が剥がれきらず気泡ができることがあります。
(初回水洗いすれば大丈夫なのですが、最初にクリーニングに出されると綺麗に剥がれないことがあります。)
●永久接着芯
生地と芯を完全に糊で貼り付け剥がれないようにした芯です。
形態安定素材にはこの芯を使うという規定があります。
永久接着芯を取り扱える機械があるところでないと使えない芯です。
・メリット:形態安定でこの芯ならば、洗っても芯と生地がぴったりとくっついているためシワが入らない。糊付けされているので硬めでしっかりとした感触になります。
・デメリット:クリーニングに出すと少し縮みやすい(半乾きで高熱プレスなどを行うと縮みやすい)
クリーニングに出すと衿周りが縮む傾ことがあるのは永久接着芯が縮んでいるからです。
♦芯の形や装着方法
ここでは衿の芯を例にあげます。
芯を衿の形にカットして生地の間に入れ込む、または生地に接着して縫製します。
平面写真は衿の形にカットしたもの。
接着芯はサンプルとして衿部分に使用される赤い生地に貼り付けられています。
(シャツの種類、縫製工場などによりカットされる芯の形は異なります。)
この平面のものを丸めると衿の形になりますね。
♦まとめ
普段着用しながら芯のことを意識することはないと思いますが・・・実は種類があり形を保つために重要な役割を担っています。
フラシ芯は ”高級ワイシャツ” の代名詞でしたが、昨今は永久接着芯も多いです。
お客様のことを考えると扱いも楽ですしそのようになってくるのは自然な流れだと思います。
オジエで使用している芯は、
いろんなテストがされたクリーニングの熱にもほぼ縮まない芯です。(2018年後半頃より使用開始)
(クリーニング環境によりますので100%の保証はございません。ご了承ください。)
それまで衿や袖丈など縮みに関するご意見をお客様より頂戴することも多く、オジエとしても何か解決方法はないかと探しておりました。
ニット商品などは対象外となりますが1年以上経ちだいぶ縮みにくい芯を使用したシャツに入れ替わったかと思います。
縮みを心配される方は、家庭洗濯をお勧めします。
家庭での洗濯であればシャツの痛みも少なく長持ちしますし縮みも少なくすみます。
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